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広告運用パラメータとLP分析でROAS150%を短期で目指す方法

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Takashi Ando

2025年03月10日

この記事は約5分で読めます。

はじめに

広告運用の成功を左右する指標の一つにROAS(広告費回収率)があります。特にMeta広告では、広告のクリエイティブや訴求軸、ランディングページ(LP)との相性がROASに大きく影響します。

本記事では、新興アパレルブランド「HAPPY NOCNOC」の事例をもとに、広告パラメータの設計とLP分析を活用し、短期間でROASを150%以上改善した具体的な施策を詳しく解説します。Ptengineの分析機能を活用したデータドリブンな改善手法についても触れますので、広告運用の効率を高めたい方はぜひ参考にしてください。


1. 課題:広告の訴求軸が不透明でROASが伸びない

HAPPY NOCNOCは、子ども向けのスニーカーを販売する新興ブランドです。しかし、新しい広告を出稿した際に、以下の課題が発生しました。

課題①:広告の訴求ポイントが不透明でROASが悪化

  • 広告のクリック数は一定数あるものの、CVR(コンバージョン率)が低い
  • 消費者がどの訴求軸に最も興味を持つかが不明確

課題②:LPの離脱率が高く、購入につながらない

  • 広告からの流入があるものの、LPでの直帰率が高い
  • 商品の魅力が十分に伝わっていない可能性がある

そこで、広告のパラメータ設計とLP分析を通じて、ROASを改善するアプローチを実施しました。


2. 改善施策①:広告パラメータを最適化し、効果検証を強化

2-1. UTMパラメータの詳細設計

Meta広告のパフォーマンスを正しく測定するため、utm_contentutm_termを活用し、広告ごとの訴求軸を詳細に分類しました。

例:広告URLの設定

UTMパラメータ設定内容目的
utm_content商品名(例:noc_fly)どの商品が最も効果的か分析
utm_term訴求軸(例:support, wide)どの訴求が最もコンバージョンに貢献するか検証
https://happynocnoc.jp/?utm_source=meta&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale&utm_content=nocnoc_shoes&utm_term=support

2-2. 訴求軸ごとに広告テストを実施

足の成長をサポート」と「幅広な子どもの足も安心」という2つの異なる訴求軸で広告を作成し、どちらが効果的かをテストしました。

広告訴求内容クリック率(CTR)ROAS
広告A幅広な子どもの足も安心8.11%90%
広告B足の成長をサポート11.38%150%

結果:
足の成長をサポート」という訴求軸の方が、商品詳細ページでのCTRが高く、ROASも大幅に改善されました。この結果をもとに、広告予算を「足の成長をサポート」訴求の広告に集中させることで、さらにROASを最大化しました。

特に、広告の効果測定で重要なことは着地先のページでのファーストビュー離脱率と滞在時間です。Ptengineでは、これらの指標を瞬時に出して広告の相性を確認できます。ファーストビュー離脱率はできる限り10%以内が理想です。最低でも30%以内を目指すようにしてください

ファーストビュー離脱率の図
ファーストビュー離脱率の図

3. 改善施策②:LP分析と改善でCVRを向上

次に、LPでの離脱を防ぎ、コンバージョン率を向上させるための改善を行いました。ここでは、Ptengineのヒートマップ機能を活用して、消費者の行動を可視化しました。

3-1. ヒートマップ分析で消費者の関心を特定

  • クリック率の見える化
    • 「足の成長をサポート」の方が39.84%のクリック率を記録し、消費者の関心が高いことが判明
  • 視線の集中の見える化
    • 消費者がより長く商品を見つめる傾向があることが確認できた

広告B(つまり足の成長サポートを重視した広告)では、商品ギャラリーへのクリック率に大きな差があることが、Ptengineの計測により判明しました。また、クリックヒートマップもカートに入れるやサイズなどより購入に直結しやすい情報の反応率が高いことがわかりました。この情報をもとに、着地先のランディングページの改善の方向としては、ページの構成のストーリーを子供の足のサポートがわかりやすく伝わる情報構成にするべきだということです

クリック率の見える化
商品画像のクリック率
クリックヒートマップ
クリックヒートマップ

3-2. 実際のランディングページの改善

最後に取り掛かったこととして着地先のランディングページのABテストによる改善です。順番としては、

①まず、広告の最適化を図るために広告側の検証を優先する
②広告のCTRが2%以上ある場合は、広告着地先のページでのファーストビュー離脱率を計測し、30%より多い離脱の場合は基本的に広告の訴求軸を変えるかLPのファーストビューを変更する。
③ファーストビュー離脱率も30%以内に収まるようであれば、さらにCVRを最適化するために、ランディングページのファーストビュー以外のストーリー構成を改善する。

この流れが最適だと考えられます。

実際にHappy NocNocのアパレルサイトでは、ランディングページの最適化をABテストで行いました。特に、セカンドビュー以降のコンテンツにおいて、子供足の成長における靴の選び方と優先するか、製品の基本機能を先に出すかどうかを最適化するテストを行いました。製品の機能をサマリーでお伝えするコンテンツを上部に上げたほうが結果的に良いことがわかり、カートイン率は、靴の機能をセカンドビューに優先させたほうが高かったです。結果を見ると、ファーストビューで靴の印象的な動画が流れているため、読み進める際に特徴を先に示したほうが自然な流れだったと推定されます。

ランディングページのABテスト
LP訴求ストーリーカートイン率上昇率
改善前セカンドビュー(靴の選び方)0.58%
改善後セカンドビュー(靴の機能)1.00%+72%

4. ROAS150%以上、CVR+72%を実現!短期での改善ポイント

これらの施策を通じて、Meta広告のROASが80%から150%以上に改善CVRも72%の改善を実現することができました。

短期でROASを改善するための3つのポイント

  1. 広告パラメータ(UTM)を詳細に設定し、効果を正確に計測
  2. ヒートマップやクリックデータを活用し、LPのボトルネックを特定
  3. 消費者の興味を可視化し、最適な訴求軸に広告予算をシフトし、LP改善

広告パラメータについては、以下のようにして設定をすることを推奨します。

UTMパラメータ設定内容目的
utm_content商品名どの商品が最も効果的か分析
utm_term訴求軸(例:support, wide)どの訴求軸が最もコンバージョンに貢献するか検証
utm_campaignキャンペーン名総合的な名前で日付とセットが良い
utm_source広告流入元(meta等)どの媒体が効果的か分析
utm_medium掲載形式(Reel等)どの掲載形式が効果的か分析

まとめ:広告運用をデータドリブンで最適化する重要性

今回の事例では、広告パラメータの詳細な設計とLP分析の組み合わせにより、短期間でROASを改善することができました。

特に、Ptengineのヒートマップを活用して消費者行動を可視化し、それに基づいた改善施策を打つことが重要です。

広告運用を最適化したい方は、ぜひこの方法を試してみてください!

Ptengineで広告対策やLP改善

今回のような広告と組み合わせた分析手法やランディングページのABテストを行う場合は、ぜひPtengineを活用してください。ファーストビュー離脱率など、広告との相性が良い指標を確認できる点が強みです。

ご興味をお持ちの方は、ぜひ製品サイトよりご覧ください。

Ptengine製品サイト

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