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Webディレクターが利用するべきPtengineのイベント/CV設定活用法

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Takashi Ando

2020年10月01日

この記事は約6分で読めます。

Webのアクセス解析では、自社のビジネス状況を正しく把握するためにコンバージョン設定やイベントによってカスタマイズしたデータを取得するのが一般的です。 

Webにおける「コンバージョン」、そして「イベント」について正しく理解して、Ptengineでそれらのデータを有効活用し、ビジネスにより大きな影響を与える施策につなげましょう。 

そもそもイベントやコンバージョンってなに? 

一般的なWebアクセス解析ツールでは、サイトに埋め込んだトラッキングコードによってリンク時(ページ読込時)にデータを収集し、それらを可視化することで、Webサイトの閲覧状況を知ることができます。 
 

ただし、ほとんどのツールではWebサイト運営上の目標数値について、運用者が定義して設定する必要があります。それがいわゆるコンバージョン(CV)と呼ばれるものです。 

 
多くのサービスでは「購入完了ページ」や「お申し込み完了ページ」(サンクスページと呼ばれるページ)へのアクセス数を目標としてコンバージョン設定しています。 

それでは、イベントとはなんでしょうか。 

 
イベントとはページ読込みに関係なく、コンテンツに対するユーザーの操作をトラッキングするための手段です。そのため、Webサイトのクリックやスクロール、ダウンロード、フォーム送信、滞在時間など、ユーザー操作における様々なトラッキングデータを取得することが可能です。自由度は高いですが専門的な知識が必要となるケースが多く、扱える人も限られてくるのが欠点といえるでしょう。 

イベント・CVを設定するとこによって何ができる?実際の使用例 

コンバージョンを設定することによるメリットは、一つはサービスの今後の予測(フォーキャスト)が立てやすくなるという点です。コンバージョンはそのWebサイトでのゴール、すなわち成果になるので経営判断において重要な情報の一つとなります。 

二つ目は、Webサイトや広告の運用パフォーマンスを判断するためのものさしにすることができるという点です。一般的にはCPA(1コンバージョンあたりの消費コスト)やCVR(サイト訪問者中のCV訪問者の割合)で測られます。貢献度の高い活動を分析することで、全体の予算やリソースの再配分し最適化を繰り返します。チャレンジ(テスト)と最適化のサイクルが主な活動の基盤となるため、コンバージョンは非常に重要なデータとなります。 

イベントはよりユーザー理解するための手段であり自由度も高いので、様々なケースが存在します。 

コンバージョンの代替となるケース 

Web解析ツールで取得するデータは基本的にページ読込時に取得されるため、ページの読込が伴わない成果ポイントはイベントを利用しなくてはなりません。例えばボタンクリックによる資料ダウンロードやスマホのサイトならではの電話お問い合わせのタップなどです。 

UIUX分析のために取得するケース 

UIUX分析では、ユーザーの問題を解決するために「この場合どんな UI が望ましいのか」「この場合どんな UX を採用すべきなのか」を検討します。ユーザーがWebサイト上で起こしうる様々な行動データ(主にはクリックデータ)が必要となり、イベントを利用して取得します。 

 
先行指標として取得するケース 

コンバージョンはいわばユーザーに求めたい行動としての最終到達地点です。コンバージョンデータを元にWebサイトを最適化するとなると、取りうる行動は無数に考えられ改善活動としてフォーカスできません。よってコンバージョン数を向上させるための先行指標をイベントを利用し取得します。例えば「お気に入り追加ボタンのクリック数」、「記事の読了数」、「カートにいれるボタンのクリック数」など、サービスによって様々な指標が考えられます。 

イベント計測はWebサイトを継続的かつ段階的に改善していくにあたり、非常に重宝する手段となります。訪問しているユーザーと自社サービスのエンゲージメントポイント、そしてイベントの特性を理解して、効果的な運用に役立てましょう。 

Ptengineにおけるイベント・CV 

Ptengineでもイベントの取得やコンバージョンの設定は可能です。 

コンバージョンを設定する際には大きく二通りの設定があり、URLへのアクセスで指定する方法と、設定したイベントから選択する方法です。イベントはコンバージョンとしても活用できるため、より制限された条件下でも自由なコンバージョン設定が可能です。 

またPtengineでは、前述したようなUIUX分析や先行指標としてクリックアクションのイベント活用は必要ありません。なぜならばヒートマップとして随時オブジェクト毎のクリックデータは取得しているからです。確認するときは管理画面[ヒートマップ]>[ページ分析]をご参照ください。 

▲「メガメニュー」「ハンバーガーメニュー」などにも対応可能なページ分析機能 

Ptengineイベント機能の本領発揮ポイント①イベント×数値レポート 

イベントはコンバージョンと同様にフィルタが自由にかけられます。 

つまり「訪問中に特定の行動を起こしたユーザー」という軸で訪問者を分解していくことができます。例えば、TOPページに特集ページに誘導するバナーを置き、そのバナーをクリックしたユーザーとクリックしていないユーザーの訪問データを比較し、その施策のパフォーマンスを調査するといったことも容易にできます。 

Ptengineではクリックのイベント計測がすぐ設定できます。 

▲管理画面内からすぐに設定できるビジュアルイベント機能 

特集施策に効果があったら、次は特集Aと特集BでA/Bテストしてみるなど、仮説からデータ取得、テスト実施まで迅速に行うことができます。 

イベント×フィルタリングを活用し、素早い仮説検証を繰り返す超速PDCAサイクル体制に役立てましょう。 

Ptengineイベント機能の本領発揮ポイント②イベント×ヒートマップ 

Ptengineはユーザーが「サイトに何を求めているか」といった定性的情報を調査することに便利なヒートマップ機能があります。 

イベント機能によって、特定の条件下にいるユーザーの’Why’を調査することができます。 

例えば「特定のボタンをクリックしたユーザーはページの中でどのようなコンテンツに惹かれてそのボタンをクリックしたのか」というようなWhyの調査です。 

CTAボタンと仮定すると、「そのサービスに強い興味を持った」ことを意味しているので、その理由を調査することは今後のマーケティング活動に大きな価値となります。 

イベントによって特定のターゲットユーザーを絞り込み、それらのユーザーの実態をヒートマップで調査してみましょう。 

Ptengineイベント機能の本領発揮ポイント③イベント×コンバージョンファネル 

コンバージョン設定の際に計測したイベントが利用できることは前述しましたが、その際にファネルも同時に設定することが可能です。 

ファネルではコンバージョンに至るまでの経路を予め設定することで、その経路のどこで多くの離脱が発生しているかを見える化する機能です。 

URLリンクのみでのファネルも可能ですが、イベントを利用して様々なユーザー行動をトラッキングし、ファネルにすることでよりクリティカルな課題を見つけることが可能になります。 

例えば、同じページでも「そもそもCTAボタンに到達しているユーザーが少ない」という問題と「CTAボタンに到達しているがクリックされていない」とでは見えてくる問題とそれに対する行動は大きく異なります。 

Ptengineのイベントはクリック以外にも、決められたスニペットを実行することで様々なタイミングでトラッキングができ、CTAボタンが表示されたタイミングや読了したタイミングもイベントでトラッキングすることが可能です。(設定方法についてはこちらをご覧ください) 

閲覧開始から、CTAボタンの表示、CTAボタンクリック、フォーム入力、、、と段階を分けてファネルを設定してみましょう。 

▲コンバージョンファネルの設定例 

このように、より課題点を明確にするファネルの作成ができるようになります。 

さいごに 

Ptengineでコンバージョン、イベントの設定する意義についてご理解いただけましたでしょうか。 

Webサイトで継続的な最適化の実行していくには、その都度目的に合わせたデータ設計が必要となってきます。 

より深いユーザー理解を効率的に進めていくために、イベントやコンバージョンのデータを有効活用していきましょう。 

いかがでしたでしょうか?ぜひシェアをお願いいたします。