blog»活用法&レシピ»そのKPI、本当に大丈夫ですか?KPI設定とその検証の注意点。
2016年07月01日
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皆さんこんにちは。もっちです。
さてさて、このブログに来訪されている多くの方は日常的にウェブ解析を行っている方が多いと思います。
解析を行うということは、目標があり、目標があるということはその目標を達成するための中間基準もあるということですね。
このとき中間基準として多く用いられるのがKPI!
けどこのKPIは目的によって変化するため、多くの企業が独自のKPIを持ち日々実数値との検証を行っていると思います。
けどそのKPIで本当に目的を達成できていますか?
ということで、今回はKPI設定とその検証を行うときの注意点をまとめてみました。
・KPIとは(KGI /KSF/KPIとの違い)
・KPI設定の注意点
・KPI検証の注意点
という3つでお送りします。
それじゃいきましょう。
KPIとは、目標達成までにするべきことを数値化した重要業績指標のことです。
と、これでは定義としての理解しかできないですよね。笑
ということで、このKPIを恋愛を例にしてお話してみます。
たとえば、鈴ちゃんという大学四年生の女の子がいます。
そしてその鈴ちゃんは同じゼミの男の子を好きになってしまいました。
こうなると当面の鈴ちゃんの生きる目標は、「好きになってしまった男の子と付き合うこと」になりますね。
そうなるとどうやったら付き合えるかを、鈴ちゃんは死ぬ気で考えます。死ぬ気で。
そしてある雑誌に「確実に付き合えるLINEの送り方特集」というのを見つけてしまします。
そこには、「LINEを送るのはなんだか寂しい水曜の夜に送るべき。」「1回のLINEの返信回数が5回を超えなきゃ意味が無い」と書かれていました。
そこで鈴ちゃんはこの雑誌を参考にし、水曜の夜に返信が5回以上続くLINEを行いました。またどんな内容だとLINEが続くのかなどを記録し、毎回のLINE内容を改善していきました。
この鈴ちゃんの行動をマーケティングで例えると。
KGI(Key Goal Indicator):目標=付き合うこと
KSF(Key Success Factor):目標達成にすべき重要成功要因=毎週水曜の夜にLINEを送る
KPI( Key Performance Indicator):目標達成までにするべきことを数値化した重要業績指標=1回のLINEの返信回数
というようになります。
まとめるとKGIとは目標であり、その目標を達成するためにやるべきことがKSF、KSFがうまく機能しているかをKPIという定量的な指標で確認する。というのがそれぞれの役割と流れです。
このような基準をつくることで、目標を達成するまでの道筋を作ることができます。
これを定義した人、すごいですね…
ちなみにこの鈴ちゃん、本当に付き合えたかどうかはおいておきます。
個人的には「ロジックじゃないものね、男と女は。」と思っているので。笑
さて、お次はKPIの設定上の注意です。
スタートアップ界隈ではよく耳にする「The Lean Startup」シリーズのデータ分析本「Lean Analytics」では指標について、「追うべき指標」と「追うべきではない指標」という分け方をしています。
詳しい話は割愛しますが、具体的に追うべきではない指標として
が挙げられています。
逆に追うべき指標としては
が挙げられています。
ただ正直これだけだと、追うべき指標の具体例が想像つかないと思います。
ここで、「転職会議」さんが登録者数を2.23倍にした時に行ったA/Bテストの例を見てみましょう。
まず転職会議さんでは、KPI設計の基準として下記3つを用いていました。
結果指標とは最終目標のことで、転職会議さんでは「登録者数」にあたります。
この「登録者数」がどんな指標でできてるかを分解するのがステップ1です。
この時分解した指標を、先行指標と読んでいます。
そして先行指標を時間や予算を考慮したうえで、最も改善できそうな指標を選ぶことがステップ2です。
転職会議さんでは可能な登録導線CTR、登録フォームのCVRの2つに絞っています。
最後に、選んだ指標を向上させるための要素を考えるのがステップ3です。
転職会議さんでは先ほど選んだ先行指標の、登録導線CTRを流入経路最適化と新規導線追加というアクションと定義し、登録フォームのCVRを登録フォームの改善というアクションに定義し、実際に行動していきました。
このようにKPIを設定するときには、結果指数(目標)を分解して、実現性が高くかつ効果的な先行指標を選択し、それが改善できるアクションを明確にすることが大切になるのです。
最後はKPIを検証するときの注意点です。
KPIは頻繁に現状の数値と比較することで「本当に目標達成にむかっているのかな」ということを定量的に確認できる指標です。
なので何か施策をうった時には「数値が上がった」「数値が下がった」ということを日々確認すると思います。
しかしせっかく施策をうったのに、しばらくするとまた元の数値に下がっちゃう…という繰り返しが起こることがあります。
これ「平均への回帰」が起こっているのです。
これはもう施策じゃどうにもならない「コンテンツの魅力不足」が原因となっています。
もしこの現象が起きてしまったら、そんじょそこらの施策ではもうKPIを右肩上がりにすることはできません。
なのでこれがおきているということに気づいてしまったら、平均に回帰できなような施策を打つしか手がありません。
平均に回帰できないような施策とは、その都度違うと思いますが多少予算や時間をかけ本当に効果のある施策を打つ必要は出てくるでしょう。
ここで大切なのは、KPIが「平均への回帰」が起こっている可能性を認識することで施策の大きさを変更できるという視野を持つことです。
ということで以上がKPI設定とその検証の注意点でした!
参考URL
40日で登録数2.23倍。転職会議が行った32回のABテスト【前編:効果的なKPIとテスト設計のコツ】http://jp-blog.kaizenplatform.com/tensyokukaigi_abtest
「施策を打ったらKPIが上がった!」だけで満足するのは危険 http://tjo.hatenablog.com/entry/2013/06/17/190319