A/Bテストは、顧客のインサイトに基づいたサイト改善をする際に役立つ方法の1つです。
A/Bテストは、いわばマーケティング活動から「疑念」を取り除き、その代わりにWebサイトを最適化するためのデータに基づく「根拠」を提供してくれるものです。
この記事では、主にECサイトを運用するマーケターの皆さんに試していただきたい9カテゴリ合計27つのA/Bテスト基本施策と主な評価指標をご紹介します。
A/Bテスト初心者の方でも、現在のアプローチに磨きをかけたい方でもぜひ参考にしてみてください。
1. ホームページのレイアウトやデザイン
ホームページは、Webサイトに対するいわば「顧客の第一印象」を築く場所です。したがって、そのレイアウトやデザインを最適化することは非常に重要です。
A/Bテストでさまざまなデザインをテストすることで、デザインを定量的に評価することができるようになります。
1.1 メイン画像と動画バナー
- パターンA:CTAボタン付きのメイン画像
- パターンB:Aとは異なる位置にCTAを配置した動画バナー
1.2 CTAボタンの位置
- パターンA:上部にCTAボタン
- パターンB:ページ下部にCTAボタン
1.3 ナビゲーションメニューの形式
- パターンA:伝統的な水平ナビゲーション
- パターンB:縦型またはハンバーガーメニュー
◼︎ 主要な指標
- コンバージョン指標:製品ページ、リストページビュー
- ユーザーエンゲージメント指標:直帰率、サイト滞在時間、CTAのクリックスルー率
2.ページデザイン
Webサイトの中でも、商品ページは購買の意思決定が行われる場所のため、ページの最適化は非常に重要です。
さまざまな商品ページデザインをテストすることで、どの要素が顧客の購買意欲を高めるかを理解することができます。
2.1 製品の説明
- パターンA:商品の主な機能に焦点を当てたシンプルな説明
- パターンB:商品の複数の仕様に関する詳細な説明
2.2 商品の紹介方法
- パターンA:ズーム機能付きの高解像度画像
- パターンB:複数の小さな画像、または商品紹介ビデオ
2.3 ショッピングカートボタンのデザインと配置
- パターンA:ページ上部に表示
- パターンB:商品説明の下にボタンを配置
◼︎ 主要な指標
- コンバージョン指標:カートイン、購入完了、放棄率
- ユーザーエンゲージメントを表す指標:直帰率、ページ滞在時間
3.CTAボタン
CTAボタンは、購入やニュースレターの登録など、サイト訪問者が希望する行動を取るよう誘導するための最重要要素です。A/Bテストを通じてCTAボタンを最適化することで、コンバージョン率に大きな影響を与えることができます。
3.1 ボタンの色
- パターンA:緑色の購入ボタン
- パターンB:赤色の購入ボタン
3.2 ボタンのテキスト
- パターンA:「ショッピングカートに追加」
- パターンB:「今すぐ購入」
3.3 ボタンの位置
- パターンA:ページ上部に設置
- パターンB:商品詳細の下、またはスクロールしても追従するボタン
◼︎ 主な指標
4.ナビゲーションメニュー
ナビゲーションメニューは、訪問者が必要な情報を迅速かつ効率的に見つけられるかが設計の鍵です。
異なるパターンのナビゲーションメニュースタイルをテストすることで、サイトのUXと全体的なパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
4.1 メニューのスタイル
- パターンA:伝統的な水平ナビゲーションメニュー
- パターンB:モバイルでよく使われるハンバーガーメニュー
4.2 メニューの位置
- パターンA:ページ上部に表示
- パターンB:ページのサイドまたは下部に表示
4.3 メニューのカテゴリー
- パターンA:ドロップダウンメニュー付きの大まかなカテゴリー
- パターンB:詳細に記載されたカテゴリー
◼︎主要な指標
- コンバージョン指標:詳細ページビュー、リストページビュー
- ユーザーエンゲージメントを表す指標:直帰率、ページ滞在時間
5.購入プロセス
購入プロセスは、売上に直結するカスタマージャーニーの最重要部分です。
適切にデザインされたプロセスは、カートに入れたにも関わらず購入に至らない「放棄」を大幅に減らすことにも繋がります。
5.1 購入のステップ
- パターンA:1ページで発送先住所や支払い情報の入力までを完了する「シングルページチェックアウト」
- パターンB:発送先住所の入力や支払い情報の入力が複数ページにわたる「マルチステップチェックアウト」
5.2 情報入力フォームの設計
- パターンA: 最小限の必須フィールドのみのフォーム
- パターンB: オプションの追加情報などを含むフォーム
5.3 購入プロセス
- パターンA: 購入時にアカウントの作成を必須とする
- パターンB:購入時にアカウント作成を必要としない
◼︎ 主要な指標
- コンバージョン指標:購入完了
- ユーザーエンゲージメントの指標:収集した情報量
6. 価格の表示方法
価格の表示方法は、商品やサービスに対する顧客の価値認識と、購買意欲に影響を与える非常に重要な要素です。
6.1 価格フォーマット
6.2 価格表示
- パターンA:商品名の近くに表示
- パターンB:商品の詳細説明の下に表示
6.3 割引表示
- パターンA:「オリジナル価格5,900円、今なら4,900円」。
- パターンB:「1,000円割引」。
◼︎ 主要な指標
7.プロモーションオファー
プロモーションオファーは、顧客の購買意欲をそそる強力なインセンティブとなります。また、種類が多いことも特徴的なアプローチです。
そこでプロモーションのテストを行えば、より効果の高いオファーを検証することができます。
7.1 プロモーションの内容
- パターンA:「初回注文10%オフ」。
- パターンB:「初回注文500円割引」。
7.2 プロモーションの表示方法
- パターンA:ページ上部にバナーを常に表示
- パターンB: サイト訪問時にポップアップウィンドウで表示
7.3 プロモーションを出すタイミング
- パターンA: サイト訪問後すぐに表示
- パターンB:一定時間サイトに滞在した時、またはサイトからの退出時にポップアップウィンドウに表示
◼︎主要な指標
- コンバージョン指標:カートイン、購入完了
- ユーザーエンゲージメントを表す指標:直帰率、平均滞在時間
8.ポップアップ
ポップアップは、リード獲得やオファー促進だけでなく、サイトからの直帰率を下げるためにも効果的な方法です。
さまざまポップアップウインドウのデザインやタイミングをA/Bテストすれば、より訪問者の背中を効果的に押す方法を見つけることができます。
8.1 ポップアップのデザイン
- パターンA:簡潔に情報を載せたシンプルでミニマルなデザイン
- パターンB:画像やアニメーションを使ったリッチなデザイン
8.2 ポップアップの表示タイミング
- パターンA:訪問者がサイト訪問をした10秒後に表示される
- パターンB:訪問者がサイトを離脱する時に表示される
8.3 割引のコピー
- パターンA:割引オファー(例:「初回購入10%オフ」)
- パターンB:無料のリソース(例:「今だけ無料サンプル付き」)
◼︎ 主要な指標
- ユーザーエンゲージメントを表す指標:CTAクリック率、ページ直帰率
9. 第三者の評価コンテンツ
カスタマーレビューや評価といった第三者的な評価は、サイト訪問者の意思決定に大きな影響を与えます。 これらの情報の出し方をA/Bテストすることはコンバージョン率の向上に期待ができます。
9.1 コンテンツの表示場所
- パターンA:レビューと評価を商品ページの上部に表示
- パターンB:レビューと評価を商品ページの下部に表示
9.2 コンテンツのタイプ
- パターンA:顧客の声などの定性的なコンテンツ
- パターンB:星評価やレビュー数などの定量的なコンテンツ
9.3 コンテンツの形式
- パターンA:テキスト形式のレビュー
- パターンB:商品を使う顧客の画像または動画
◼︎ 主要な指標
- コンバージョン指標:カートイン、購入完了
- ユーザーエンゲージメントを表す指標:直帰率、平均滞在時間
まとめ
A/Bテストは、ランディングページを中心に、Webサイトのあらゆる側面を最適化に役立ちます。
ホームページのレイアウトや商品ページから、CTAボタンや第三者の評価まで、さまざまな要素を体系的にテストし改善に活かすことで、データドリブンな意思決定を行うことができ、結果的にUX改善やエンゲージメント向上によるコンバージョン率の改善が期待できる方法なのです。
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