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アンケート調査の深掘り:D2Cブランド成功の鍵【設計編】

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大森 葵

2024年12月03日

この記事は約4分で読めます。

グローバル化が進む中、多くのD2Cブランドが世界市場への進出を積極的に進めています。

D2Cの強みの一つは、顧客に直接価値を向き合い、市場の変化に迅速に対応し、カスタマイズされたサービスを提供できることです。しかし、だからこそ多様な文化や消費者の習慣に直面する中で、ブランドはカルチャーショックなどの課題を乗り越える必要があります。

その際に有効なのが、アンケート調査です。アンケート調査を実施することで、各国の消費者ニーズを深く理解し、優れた体験を提供するためのヒントを得ることができるのです。

今回の記事では、土台となるアンケート調査の設計方法に対し、いくつかの提案をご紹介します。

目次

  1. 調査目的を具体化にする
  2. 例:中国発のコスメブランド「フローラシス」
  3. さまざま調査方法
  4. オンライン調査
  5. ソーシャルメディアでの情報収集
  6. 有識者への相談
  7. 消費者との個別インタビュー
  8. アンケート調査のテクニック
  9. よくある落とし穴
  10. 使えるテクニック

調査目的を具体化にする

アンケート調査を始める前に、目的を絞って、分析したい内容をイメージしながら、計画を立ていくことが重要です。

よく使われるSTP分析に沿って、調査目的をブレークダウンにすると下記のようになります。

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また、よりパーソナライズされた商品やサービスを提供するため、例えば下記のように調査対象(ユーザー)別で目的を分けることもできます。

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例:中国発のコスメブランド「フローラシス」

中国発のコスメブランドである「フローラシス」は海外進出する前に、SNSや市場調査を通じて現地消費者の情報を念入りに収集、分析しました。

中でも特に、東洋系ブランドのイメージ、購入習慣、天然成分への関心度などを徹底的に分析。

その結果、中国の伝統技法より植物エキスと花の成分を配合し、敏感肌に適しているコンセプトを打ち出しました。これにより、他にないユニークな特徴を持ったブランドとして、海外の多くの消費者の関心を引くことに成功しました。

さまざま調査方法

オンライン調査

オンラインのアンケート調査は、低コストかつ広範囲をカバーできるという利点があり、多くの消費者からのフィードバックや意見を迅速に収集できます。

また、商品の好み、購買習慣、ブランド認知度、価格感度など多岐にわたり、ブランドが目標市場の消費者ニーズを包括的に理解するのに役立ちます。

特に、D2Cブランドは自社のWebサイトがあることがほとんどです。毎日訪問しているユーザーとの最大の接点として活用し、ユーザーセグメント調査なども実行することが可能です。

ちなみに、Eメールでアンケートを収集することもできますが、いくつか乗り越えるべきハードルが存在します。

まず、メールマガジンや会員登録などで、顧客からメールアドレスを入手しなければなりません。また、実際にメールキャンペーンを送った場合も、開封率なども考慮する必要があります。

ソーシャルメディアでの情報収集

ソーシャルメディアは世界中の消費者が活発的に発信している場所であり、ポテンシャルがあるユーザー層の生活習慣や興味がありそうな話題など定性的に把握することができます。

また、ソーシャルメディア上で消費者と直前に交流することで、例えば、公式アカウントの発信に対するコメントに返信したり、話題を提起したりして、より即時的で具体的な消費者インサイトを得ることができます。

ソーシャルメディアの活用は、ブランドに対する「今の」消費者の感情的傾向や関心事をキャッチするのにより適しており、商品開発やマーケティング戦略の参考にできる情報を獲得することができるのです。

有識者への相談

現地のパートナーや専門家とつながり、インタビューを実行する調査方法もあります。

特にまだ未展開の海外市場などに進出する際は、現地市場に対する深い理解や経験を持った専門家のアドバイスが道標となります。

特に、マーケティングやプロモーションに対する予算に限りがあるブランドにとっては、有識者調査を通じて、ビジネス方針を決定することは、市場参入のリスクを軽減することにもつながります。

消費者との個別インタビュー

実地調査や1対1のインタビューは、より深い洞察を得ることができます。

特にペルソナと高度一致している消費者より商品の使用体験、ペインポイント、ブランドへの期待などを深く理解することができます。

対話をするように話を聞いていくことで、思いがけないインサイトに出会える可能性が高いことも個別インタビューの特徴です。

アンケート調査のテクニック

次に、アンケート調査の中で、特にD2Cブランドの自社サイトで実施されるオンラインアンケート調査を対象に、よくある落とし穴や実施のテクニックをご紹介します。

よくある落とし穴

年齢、ブランドの認知経路、購入経路、選ぶ理由、商品へのフィードバックなどを聞くパターンが多いでしょう。

しかし、このようなベーシックな内容だと、サンプル量が限られている場合は特に、データを深掘りする余地があまりありません。こうした情報を聞くことはもちろん重要ながら、深掘りのできる情報を得られる項目を考えることが鍵になります。

もし事前にWebサイトやソーシャルメディアなどで大まかな年齢層が把握できている場合は、年齢層を絞った上で、調査項目を設計できるとより効率的です。

使えるテクニック

回答しやすくするため、調査項目は5〜8問以内に抑えるのが理想です。

そして、毎回1つの調査目的に絞り、選択肢に基づいて質問の深掘りを行います。

例えば、競合と比較したい場合は以下のように質問を構成します:
「普段どのブランドを購入していますか?」
→「なぜブランドAを選びましたか?」、「ブランドAを選んだ理由は何ですか?」
→「もし私たちのブランドがAと同等の価値を提供できる場合、私たちを選びますか?」

このように1つの質問を徹底的に掘り下げていくことで、より信頼性の高い結論が得られるでしょう。

D2Cサイトの裏技

購入済みユーザーの回答率が高い傾向があります。特に、注文完了ページでアンケートを表示すると、通常のメール調査よりも40倍以上の回答率を得られる場合もあります。

また、カートに商品を入れたものの購入に至らなかったユーザーに対する「離脱調査」も実施可能です。

この場合、「なぜ購入しなかったのか」という基本的な質問にとどまらず、「どのくらいの価格なら購入したいか」「他に欲しい色やデザインはあるか」など、モチベーションを聞けるような質問設計をすることが推奨されます。

いかがでしたか?

今回は、調査設計に焦点を当てていくつかの提案をお届けしましたが、分析編もぜひご覧ください!

おまけ

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