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VIVAIAの実践例に学ぶ顧客理解を基点とする商品戦略

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大森 葵

2024年11月27日

この記事は約5分で読めます。

現代のマーケティングでは、データの活用だけでは不十分です。そこで、Ptmindは、顧客を「人」として深く理解し、その心理を反映した商品戦略を提唱しています。

本記事では、そのフレームワークの詳細を成功事例であるレディースシューズブランド「VIVAIA」の実践を交えて詳しく紹介します。

顧客理解を基点とする3ステップ

Ptmindのアプローチは、顧客の心理や行動を理解することで、商品や売り場を最適化することに重点を置いています。このフレームワークのポイントは以下の3つです。

  1. 人に合う商品作り
  2. 商品のPOD(Point Of Difference / 差別化ポイント)づくり
  3. 人に合う売り場作り

また、それぞれ施策アクションレベルに具体化すると下記のようになります。

  1. 人(顧客理解) :お客様の商品理解度を検証
  2. 商品(POD):広告の最大化
  3. 場所(売り場):専用商品LPで効果を最大化

これにより、単なるデータ分析に留まらず、顧客を「人」として捉えた商品戦略を実現します。

成功事例:VIVAIA

以下でそれぞれのポイントを解説するにあたり、VIVAIAの事例を提示しながら解説していきます。

VIVAIAは、Ptmindが日本事業の展開・運営を100%担っているグローバルレディースシューズブランドです。2年間で月商数5億円規模への目覚ましい成長を遂げており、その急成長を支えているのが、まさに上記3点です。

  1. 顧客の商品理解度を向上
    • 商品ページに詳細な商品説明や解説動画を導入し、顧客の商品理解を深めることで、カート遷移率を向上。
  2. 広告の最適化
    • さまざまなパターンの広告クリエイティブを作成して運用。その中から反応率の高いバナーのコピーやクリエイティブを広告に転用して量産。
  3. 広告最適化の徹底
    • 2を通じ、ROASが適切になってきたコンセプトを専用LPで全面的に打ち出すことで、費用対効果が保証されたLP制作に成功。

1. 人に合う商品づくり:顧客の声を反映する

人に合う商品づくり

VIVAIAでは、Ptengineのアンケート機能を活用することで、商品購入後にアンケートを表示し、顧客の声を収集しています。この内容は、デザインから足のお悩みなど多岐にわたります。

あポイントは、「購入直後」のお客様に対してアンケートを表示させることです。いわば「最もブランドおよび商品に対して熱が高まっているとき」にアプローチすることになるため、非常に高い回答率を得られるのです。あるときは、回答率が60%を超えたデータもあります。

また、アンケート型LPも活用し、潜在需要を掘り起こしも行っています。これらの調査結果は、新商品の精度を高めたり、トレンドの変化を掴んだりするのに役立てています。

2. 商品のPODづくり:差別化ポイントの最大化

商品の差別化ポイントづくり

商品の価値や差別化ポイントを最大限に活かすには、適切な文脈やシーンで商品の価値を提示することが重要です。VIVAIAの専用商品ページは、AIと広告データをそれぞれ活用して、商品価値をクリエイティブとテキストの両面から届けるよう非常に戦略的に設計されています。

AI活用によるクリエイティブと文脈の最適化

AIを用いて、商品の背景画像や季節や文脈に合わせてカスタマイズ。これにより、顧客が商品を手に取るシーンを具体的にイメージできるようにすることができます。

例えばVIVAIAでは、秋のシーズンに合わせた商品写真をAIを用いて生成することで、背景画像と商品との相性を検証しました。

広告データ活用によるコピーの最適化

広告の効果を高めるためには、使われる「言葉」も最適化する必要があります。VIVAIAでは、先述の通り、複数の広告バリエーションを用いて、より効果的なコピーを検証しています。コピーと商品の相性を確認し、その結果をLPや専用商品にも応用しています。

クオリティを重視したAI活用

VIVAIAの取り組みで注目すべき点は、AIの活用目的が「大量生産の効率化」ではなく、「品質の向上」に重点を置いていることです。AIは業務をより楽にする活用のイメージが強いかもしれませんが、VIVAIAではあくまでも広告クリエイティブの質の向上を目的にAIを使っています。

3. 人に合う売り場づくり:顧客体験をデザインする

人に合う売り場づくり

顧客にとって最適な購買体験を提供するためには、売り場としてのWebサイトUIや顧客理解に基づくサイト設計も欠かせません。PtengineのA/Bテスト機能を活用し、これらの要素を効果的に改善した事例をご紹介します。

A/Bテストにも種類がある

同じCVR向上を目指しても、一緒くたに考えず、UIと顧客理解のどちらを優先したテストなのかを明確にすることで、異なる視点からのアプローチが見えてきます。

  1. UIテスト
    • 主にページの動きや情報の分かりやすさを評価するもの。
    • デザインやレイアウトの最適化を目的とし、顧客の特性理解には直接的に関与しない。
  2. 顧客理解のテスト
    • 主にお客様が商品やコンセプトをどの程度理解できるかを評価するもの。
    • 商品の訴求力やメッセージの適切性を確認し、顧客の特性理解を深める。

顧客理解テスト

PtengineのA/Bテスト機能を活用した、売り場としてのWebサイトのの最適化について、興味深い事例をもう少しご紹介します。

動画の有無による成果の違い

動画の有無 ABテスト

動画を追加した結果、カート遷移率が+34%向上したケースがありました。一方で、動画の配置が適切でない場合、逆効果となるケースもあり、配置の工夫が重要です。

動画の内容による違い

動画の内容の違い ABテスト

また、同じ動画でも商品の詳細や機能を、VIVAIAのシューズに精通した店長が解説している動画と、商品の雰囲気をふわっと伝える動画とでは、顧客の商品理解にも大きな差が出ます。

動画の配置場所による違い

動画の配置の違い ABテスト

さらに、動画の配置でも成果に違いが生まれます。

商品を理解し、一定の興味を持ったユーザーが訪れる商品詳細ページに、その背中を押すように商品説明動画を配置すると、カート遷移率は34%向上。一方で、まだ商品に対するユーザーの理解が浅いトップページに掲載すると、むしろ購入率を30%近く下げてしまう結果が出ました。

最優先は、顧客の特性整理

まず、顧客に関する定性的な理解を整理することが重要です。顧客ペルソナを作成し、次のような情報を明確にします:

  • 年齢や職業、趣味嗜好などの基本属性
  • 商品やサービスをどのように知ったのか
  • 日常的に利用しているサービスやメディア
  • サービスに対する理解度や期待

この定性的な理解を基に、顧客の特性に応じたデータを収集し分析することで、「売り場作り」を適切な方向性へと具体化することができます。

数字の解釈を顧客理解と結びつける

また、データを単なる数字として見るのではなく、「顧客行動の特性」を示す指標として解釈することも重要です。例えば:

  • 比較的手頃なアパレル商品を検討している顧客層
    • 特性:視覚的な情報を重視し、購入までのステップが短い。
    • データ解釈:写真のクリック率を通じた商品理解が重要。
  • 家具を検討している顧客層
    • 特性:高価な家具を検討する層は慎重な判断をする傾向がある。
    • データ解釈:商品説明の読了率が重要。
  • BtoBソフトウェアを検討している顧客層
    • 特性:具体的な機能や効率性の理解が購入決定の鍵となる。
    • データ解釈:ランディングページの滞在時間が重要。

顧客理解を深めるには、定量データと定性データを統合することがポイントです。お客様の心理とデータを相互に見ていき、その上で検証を行うことで、反応率が変わってきます。

まとめ

VIVAIAの実践例は、データを「数字」としてではなく「人」として理解するアプローチの成功を示すものです。このフレームワークは、商品の差別化、顧客満足度の向上、そして持続的な成長を目指す企業にとって有用な指針となると考えています。

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