blog»ブランド・マーケティング»日本企業が取り入れるべき今必要な新しいビジネスモデルと実践方法:IHAモデル
2019年12月03日
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みなさん、こんにちは!
今回の記事では、世界的に求められている成長モデルを軸に、新しく進化を果たしたPtengineがどのように活用でき、ビジネスを急成長させる手助けとなるかを紹介したいと思います。
※本記事の内容はデジタルマーケティングのマネージャー、運用・オペレーション担当者に向けた内容となっています。
「AARRR(2007年~)」モデルをご存知ですか?
ご存知のようにインターネット時代の渦中にある各企業は、急成長、持続的な成長を達成したいと考えています。一般的に知られている成長モデルAARRRはAcquisition(獲得)→Activation(活性化)→Retention(継続)→Referral(紹介)→Revenue(収益)の5つで構成されています。
[参考:https://clevertap.com/blog/aarrr-metrics-vs-rarra-framework/ ]
しかし、このモデルは既に古く、成功モデルとして現在では通用しなくなってきています。
多くの企業ではこのモデルに固執してしまうがあまり、はじめのステップにあたる「Acquisition(獲得)」にだけ多くの資金・リソースを集中させてしまいます。
すると、それ以降のファネルが無視され、結果的に顧客獲得単価(CAC)が高騰してしまうという現象が起きています。
過去の市場を振り返ると、今よりも競合他社は少なく、マス広告やインターネット広告で予算を投下し、露出することで売上が上がるような時代でした。現在は様々な業界で競合他社が急増し、ユーザーは一つの製品だけでなく多くの選択肢が与えられています。つまり、ユーザーが継続的に利用してもらえることが益々重要になってきているのです。
◼︎新たな時代に合ったRARRAモデルとは
今、グローバルのマーケットでは「RARRA」モデルにアップデートされています。目標達成に向け、はじめのステップにRetention(継続)が置かれていることが注目ポイントとなっています。ユーザーの継続的な利用が、製品及びサービスの成長の基盤となるためです。
上記は大きな背景やRetentionの重要性について述べました。そしてRetentionを高めるためには、効果的なユーザー体験を提供し続けなければなりません。
“ユーザー体験” という言葉にはさまざまな意味が含まれます。ここでは主にユーザーに適切なタイミングで、正しい言葉で、情報・コンテンツ提供することを意味します。また、効果的なユーザー体験が重要だと述べましたが、この ”効果的な” とは何かを知る必要があります。ユーザーをただ喜ばせるだけでは意味がありません。自分のビジネスゴールがあることを前提とし連動させながらユーザー体験を提供することが” 効果的なユーザー体験提供 “です。
継続的な成長のロジックを図で表現すると、次のようになります。
つまり、前述に述べたように、継続的な成長を続けるためにはユーザー体験の強化が最も重要になってきます。
誰もがPtengineはヒートマップとして知られていると思いますが、そのヒートマップはユーザーエクスペリエンスを向上させるための出発点にすぎません。
改善サイクルを回す従来の方法では、PDCAサイクルが主流にあるかと思います。しかし、理想通りに機能していないのではないでしょうか。
そこで今注目されているのが、理解しやすく、そして定着しやすい「IHA」というモデルです。
一つ一つ噛み砕いて説明します。
INSIGHT(インサイト) :ユーザーのインサイトを理解します。インサイトとは、ユーザーのニーズを知るために、ユーザーの行動や発言を観察し理解することで、どのような性質や習性を持っているかを知り得ることです。Webサイト上では下記の情報を元にインサイトを得るのが一般的です。
HYPOTHESIS(仮説):前のステップで得たインサイトをもとに、合理的な仮説を立てます。 例えば、トラフィックに対してCTAボタン(登録、購買など)のクリック率や、コンバージョン率が低かったとします。もしかしたら、ボタンの色をより印象的な赤色に変更することでクリック率が向上させられるかも知れません。このようにインサイトに基づいた仮説を立てることで合理的な仮説を設定することができます。
ACTION(アクション):ユーザーのインサイトに基づき合理的な仮説を得たので、その仮説に基づいてアクションを実行します。最適なアクションを行う上で3つの重要なポイントがあります。
これらの3つの手順をできる限り早く実行し、繰り返すことでビジネス成長に近づけます。
その中で次の2つのどちらかの結果を常に経験値として得ることができます。
しかし、いずれの場合もこの3つの手順を繰り返し続けることに変わりはありません。向上された場合も最適化は無限に行えます。
最も重要なことは、この3つのサイクルが ” 高速 ” であることになります。
中国最大の英語オンライン教育機関であるVIPKIDが、Ptengineを使って成功した事例となります。
まず、日本でVIPKIDを知らない人は多いと思うので概要の説明をいたします。
2013年10月に設立され、5歳から12歳までの子どもを対象にしたオンラインによる英語教育を提供しています。北米圏のネイティブ教師によるマンツーマン授業を採用し、中国の子供たちは自宅で授業を受けることができるのです。課金ユーザーは世界35ヵ国以上、30万人を超えており、新規会員のほとんどは、既存会員の口コミから入会しているユーザーエクスペリエンスに優れ、EdTechとして世界で注目を浴びるサービスです。
2018年に5億米ドル(549億円)の資金調達に成功し、中国オンライン教育業界における最大の資金調達となり、「VIPKID」が業界内で確固たる地位を確立しています。
VIPKIDの最重要指標は生徒募集と教師募集の二つがあり、後者の教師募集に責任を持つデジタルマーケティングディレクターのBanにインタビューしました。
IHAモデルを実行することにより、彼らはKPIの1つ、登録率を約3倍に改善しました。ここでは、実際に用いたIHAモデルの運用プロセスを紹介します。
彼らはヒートマップを使い、5億円以上の広告費で訪問してきた多くのユーザーは企業ブランドのコンテンツで離脱が多く、サービスを利用するメリットのコンテンツでほとんどのユーザーが離脱していないことを知ることができました。また、Webサイトの登録率(コンバージョン率)は約8%であり、仮に100人の訪問者がWebサイトにアクセスした場合、92人がそのままWebサイトから去っていること意味します。
インサイト:訪問者は教師になった以降どんなメリットを得られるのか、関心を持っています。
①ブランディングコンテンツは不適切な部分があり、それが原因で多くの離脱を招いていた
②訪問者は自分の利益(教師として登録することの利益)に関する内容に関心度が高かった
Banはこのインサイトをもとに、訪問者に対して「空いている時間を活用することで、より多くの収入を稼ぐことができる!」といったようにVIPKIDで教師することのメリットを強調する仮説を思いつきました。つまり、Banはサイトから離脱してしまう92のユーザーに対し離脱直前にそのようなメッセージを届けることで登録数を増やせるのではないか?と仮説を立てたのです。
そこでPtengineのエンゲージで2つのことを実行しました。
このように単純ですぐ行えるテストで、コンバージョン率は1.5倍の結果でした。
具体的にはユーザーが離脱しようする直前に、興味関心が高いコンテンツの「教師の月収を知りたいですか?」とメッセージを設定しました。このようなシンプルな施策ですが、Banは5,000人以上のユーザーリードを獲得することができました。
BanはPtengineのヒートマップでインサイトを得て、エンゲージで簡単に迅速なIHAプロセスを実行することができました。しかも、ユーザーエクスペリエンスを高めながらユーザー獲得を実現しています。
最後になりますが、Ptengineは単純なヒートマップツールと見られがちですが、IHAモデルを誰もが簡単に、そして迅速にユーザーエクスペリエンスを強化することができ、ビジネス成長させることができるサービスです。Ptengineのヒートマップのみしか活用したことがない場合は、Ptengineにログインし、早速エンゲージを体験してみましょう!
もし、詳細な情報をご希望の場合は、営業担当もしくはサポートチームにお気軽にご連絡くださいね。