blog»ブランド・マーケティング»【春の新生活マーケティング戦略】カゴ落ち防止+UIUX改善
Takashi Ando
2025年02月05日
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ECサイトのカゴ落ちを防ぎ、新規獲得を最大化する方法とWho/What検証
春は新生活が始まる季節。引っ越し、就職、入学などのライフイベントに伴い、新しい商品を購入する需要が高まります。この時期にECサイトが注力すべき施策は「新規購入者の獲得」と「カゴ落ちの防止」です。本記事では、Ptengineのデータ活用を駆使したマーケティング手法を用いて、効果的なアプローチを紹介していきます。
新生活シーズンにECサイトを訪れるユーザーは、例えば次のような購買行動を時期に合わせて検討しています。
シーズンに特化した需要ではあっても、まずは顧客理解を前提にした動きが重要です。そこで最初に作成をしておくと便利なものの、実は継続更新がされないものがペルソナシートです。これを最初に作成しておくことで施策をした際のレビューの解像度が段違いで大きくなります。なぜなら、数字の背後にある顧客像自体が鮮明になることが本当は重要であるからです。
そもそもどんな構成で作成すればいいんだっけ?という方々に向けて。
構成項目としての推奨は下記となります。
1.トリガー(きっかけ)
どんなきっかけで対象の方々が自社の商品を検討し始めるかのインサイト
2.Who(顧客像)
お客様の想定される年齢などのデモグラフィック情報と心理的なものの考え方。
心理状態は「問題解決型」「欲求満足型」などがあります。
3.What(提供価値)
Whoに対して、結局どんな価値を提供するか
4.POD(差別化要素)
そのWhatが他と違う強みになっている部分
5.RTB(選ばれる理由)
お客様が他の商品ではなく、自社の商品を買うだけの理由
やってはいるけど、意外とわからないのが現在のWebサイトのデータの活用や分析、およびそこで出てくる情報の判断の仕方です。ここでは、ECサイトにおける例を出して詳しく解説していきます。
まずは、購入ファネルの数字を見直してみましょう。ECにおいては必ず抑えなければならないことは「商品詳細からカートへの遷移率」と「カートフローの通過率」。この二つをベンチマークと比較することです。
例えば、ファネルの上側での乖離が大きい場合は「流入施策と商品ページのミスマッチ」が課題となります。一方、ファネルの下側(カート周辺)での乖離が大きい場合は「UI/UXの最適化」が求められます。
つまり、ファネルの上部での問題が大きい場合は最初のステップで作成したWho(顧客像)とWhat(提供価値)自体の認識が間違っている可能性が高く、顧客理解を改めて更新をしていく必要があります。
一方でファネルの下部がベンチマーク仕様と乖離している場合は、顧客像の理解といよりも買い物を進めるにあたってのUIUXや使い勝手の部分が大きいので、ここに問題がある場合はEFOなどの施策を中心に淡々と進めます。
さて、次は先ほどのファネルで上部で課題があるか下部で課題があるかを見極めた上で(両方問題かもしれませんが。。)、下部の場合の対策をお伝えしていきたいと思います。
ECサイトでは、「カートに商品を入れたのに購入せず離脱する=カゴ落ち」が大きな課題となります。カゴ落ちの原因を特定し、改善することで、購入率を大幅に向上させることが可能です。
事例:高級アパレルEC のケース
このブランドでは、カートに商品を入れた後の購入率がベンチマークに比べると半分程度の状態であり、高級ECとは心許ない状態でした。カートフローに課題があることが明らかになりました。
カートフローのような購入プロセスの問題に関しては「自分で購入プロセスを進めてみる」ことを強く推奨します。UIUXの問題はお客様側の持っている性格やデモグラフィック情報などとの結びつきが弱いエリアです。純粋に自分が使ってみて不便だったことをまずは改善案として洗い出すと良いでしょう。
先ほどの高級アパレルECでは、ABテストを通じて一部カート購入フローを改善ができました。原因は購入プロセスを進める途中の画面で決済方法を選ぶ画面に移動するのですが、実際の画面は決済方法の選択画面はかなり画面下に出てきており、一番最初に出てくるのは住所の確認でした。このようなユーザー体験上のギャップをいち早く見つけてテストで検証することが大事です。
ちなみに、Ptengineではこのようなカートフローの問題をEFOとして解決するために、独自の「ブロック離脱率」を活用することができます。
活用例:Ptengineを使ったEFO対策方法
Ptengineでは効果的な方法でカートなどを含めたEFO対策が可能です。
どのような対策が可能かと言うと、簡単に項目別の離脱率を表示可能です。
✅ 改善結果例:カートフローの全体購入率が 2.1pt 向上
ファネルの上部(流入~商品ページ)の離脱率が高い場合、ターゲットユーザーの期待と、サイト上のブランドや商品の情報がマッチしていない可能性があります。この問題を解決するには、Who/Whatの分析が必要です。
商品詳細からのカート遷移率、TOPページでの離脱率など先ほどのカートUIUXの問題とは違い、購入ファネルの上部での離脱が激しい場合は要注意です。このケースはそもそも前提としている顧客像(Who)と提供しているサイトのブランド価値や商品そのもの(What)が離れていることが原因の可能性が高いです。その場合、ボタンを移動するなどちょっとした改善をどんどん行っていく、いわゆるPDCAのスピードが大事という話ではありません。急ぐべきは改善のスピードではなく、顧客理解のスピードです。
PDCAを早くして、細かい改善をし続ければいいというわけではありません。
早くするのは顧客理解であって施策数はあくまで副産物の一つなのです。
ここでは、Ptengineのデータも活用しながらCVRを1年間を通じて約10倍にまであげたブランドECを例にWho/Whatの連動のさせ方をお伝えしていきます。
一般的にABテストは必須と思われがちですが、実際には細かい改善だけではなく大胆な変更も大切です。ただし、大胆な変更は重要な顧客理解からスタートします。
先ほどの生活家電ブランドも商品数が数ある中で、本当にお客様が求めている価値やブランドの統一性を「コーヒーメーカー」に絞ることで大きなCVR向上を実現させています。このようなインサイトを得るための方法は以下の3つがオススメです。
このブランドでは売れている商品のクチコミを整理してみました。
実はうまく売れ行きが伸びなかった頃は顧客像と主力製品がマッチしておらず、さまざまな製品を売っている雑貨屋のような形でしたが、口コミをみると主力製品の強みは3点ほどに集約されています。ブランドの主力になる商品は口コミで言及されるポイントがまばらにならず、1−3点に集約される傾向があります。
また、アンケートなどによりブランドの商品に対するイメージ(スタイリッシュや優しい、オシャレなど)、生活がどう変わったかなどの印象や感想をヒアリングすることも大きな効果があります。それによってサイト全体の構成なども改めてリニューアルすることが可能です。
最後にデータの活用によってWhoとWhatの正しい組み合わせを導いていくことも可能です。Ptengineではある商品画像をクリックした人のうち、何%が購入にいたるかのCV(コンバージョン)貢献率を確認することができます。
この画像からわかる通り、お客様の性質とブランドの持つ性質がマッチしている場合は購入貢献率が高くなるため、そのような性質の画像や商品をいち早く見つけて顧客像の理解と合わせて考えることが大事です。
春の新生活シーズンは、ECサイトにとって新規顧客獲得の大きなチャンス。
Webマーケティングでできるポイントを押さえましょう。
これらの施策を実施することで、ECサイトやLPOで売上最大化を実現しましょう!
ABテストなどを利用したUIUX改善、カートフローなどEFOを行うための分析や接客などPtengineはひとつのツールで多くをカバーできるようになっていますので、春の獲得戦略の推進の一助になれば幸いです。
ご興味をお持ちの方は、ぜひ製品サイトよりご覧ください。
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